ばね指(弾発指)とは?|指の引っかかり・痛みの原因とエコー診断・注射治療
朝起きたとき、指が曲がったまま戻りにくい。
無理に伸ばすと「カクン」と跳ねるように動いて痛い。
グーパーするたびに引っかかりを感じる。
指の付け根を押すと、コリっとしたしこりのような違和感がある——。
その症状、「ばね指(弾発指)」かもしれません。
ばね指は、指を動かす腱(けん)と、その腱を支えるトンネル(腱鞘:けんしょう)の間で炎症が起こり、腱がスムーズに動かなくなる疾患です。
特に、
▶ 更年期以降の女性
▶ 妊娠・出産後の女性
▶ 手をよく使う仕事の方
▶ パソコン・スマホ操作が多い方
に多くみられます。
「そのうち治るだろう」と我慢している方も多いのですが、放置すると指が完全に伸びなくなることもあります。
早めに原因を確認し、適切な治療を行うことが大切です。
ばね指(弾発指)とは?
▶ 指が動く仕組み
指を曲げるときには、「屈筋腱(くっきんけん)」という腱が働いています。
イメージとしては、
▶ 腱=糸
▶ 腱鞘=ベルト通し
のような構造です。
正常では、糸(腱)がベルト通し(腱鞘)の中をスムーズに滑っています。
▶ なぜ引っかかるのか?
指の使いすぎや炎症によって、
▶ 腱が腫れる
▶ 腱鞘が厚くなる
▶ 通り道が狭くなる
ことで、腱がスムーズに通れなくなります。
すると、
▶ 曲げ伸ばしで「カクン」と跳ねる
▶ 指が途中で引っかかる
▶ 朝に強いこわばりが出る
▶ 指が曲がったまま戻らなくなる
といった症状が出現します。
これが「ばね指」の正体です。
こんな症状はありませんか?
▶ ばね指セルフチェック
▶ 朝、指が曲がったまま伸びにくい
▶ 指を伸ばすと「カクン」と跳ねる
▶ 指の付け根を押すと痛い
▶ 指を曲げ伸ばしすると引っかかる
▶ 指にしこりのような違和感がある
▶ ペットボトルを開けると痛い
▶ 指が完全に伸びない
▶ 湿布を貼っても改善しない
ひとつでも当てはまる場合、ばね指の可能性があります。
ばね指は自然に治る?
軽症であれば一時的に改善することもありますが、
▶ 指を使い続ける
▶ 炎症が慢性化する
▶ 腱や腱鞘が厚くなる
ことで、徐々に悪化するケースも少なくありません。
進行すると、
「指が曲がったまま動かない」
状態になることもあります。
特に、
▶ 痛みが長引く
▶ 引っかかりが強くなる
▶ 朝の症状が悪化している
場合は、早めの受診をおすすめします。
レントゲンでは「ばね指」は分かりません
ばね指は、
▶ 腱
▶ 腱鞘
▶ 炎症
といった軟部組織のトラブルです。
そのため、レントゲンでは異常が写らないことがほとんどです。
エコー(超音波)検査で「引っかかる瞬間」を可視化
当院では、ばね指に対してエコー(超音波)検査を積極的に行っています。
▶ エコーで分かること
▶ 腱鞘の肥厚
腱の通り道がどの程度狭くなっているかを確認できます。
▶ 腱の腫れ・変性
腱そのものに炎症や変性が起きていないかを評価します。
▶ 動態評価(リアルタイム評価)
当院が特に重視しているのが、「動態エコー」です。
実際に指を動かしていただきながらエコーを当てることで、
▶ 腱が引っかかる瞬間
▶ 腱が腱鞘を通過する様子
▶ 炎症が起きている部位
をリアルタイムで確認できます。
患者さんにも画面を見ていただきながら説明することで、
「なぜ引っかかるのか」
を視覚的に理解していただけます。
ばね指と腱鞘炎の違い
ばね指は、広い意味では「腱鞘炎」の一種です。
ただし、通常の腱鞘炎が「痛み中心」なのに対し、ばね指では
▶ 引っかかり
▶ 弾発現象(カクンと跳ねる)
▶ 可動域制限
が特徴となります。
進行すると、痛みだけでなく「動かしにくさ」が強くなります。
当院のばね指治療
症状の程度に応じて、段階的に治療を行います。
▶ ① 保存療法・生活指導
軽症の場合は、
▶ 指の安静
▶ ストレッチ
▶ 手の使い方の見直し
を行います。
スマホや家事動作など、日常の負担を減らす工夫も重要です。
▶ ② リハビリ・拡散型衝撃波治療
慢性的な炎症や痛みが続く場合には、リハビリを併用します。
当院では必要に応じて、
拡散型衝撃波治療
も行っています。
衝撃波を用いて組織に刺激を与えることで、
▶ 慢性炎症の改善
▶ 痛みの軽減
▶ 組織修復の促進
を目指す治療です。
難治性の腱障害に対する治療のひとつとして、近年注目されています。
▶ ③ エコーガイド下 腱鞘内注射
痛みや引っかかりが強い場合には、注射治療を行います。
当院では、
エコーガイド下
で注射を行っています。
エコーで針先をリアルタイムに確認しながら、
▶ A1プーリー(腱鞘)
▶ 炎症部位
へ正確に薬液を届けます。
これにより、
▶ 正確性向上
▶ 安全性向上
▶ 不要な組織損傷の回避
につながります。
▶ ④ 手術(腱鞘切開術)
保存療法や注射で改善しない場合、
▶ 指が完全に伸びない
▶ 再発を繰り返す
▶ 日常生活に大きな支障がある
場合には、手術をご提案することがあります。
狭くなった腱鞘を切開し、腱の通り道を広げる手術です。
局所麻酔で行う、日帰り手術です。
当院では、エコー所見や症状を踏まえながら、十分に相談したうえで治療方針を決定しています。
更年期・妊娠出産後に多い理由
ばね指は、
▶ 更年期女性
▶ 妊娠・出産後
に多くみられます。
これは女性ホルモン(エストロゲン)の変化により、
▶ 腱
▶ 腱鞘
▶ 靭帯
の状態が変化しやすくなるためと考えられています。
また、
▶ 抱っこ
▶ 授乳
▶ 家事負担
も発症に関係します。
決して珍しい症状ではありません。
しかし、症状が続く場合には適切な治療が必要です。
指の引っかかり・痛みは、お早めにご相談ください
ばね指は、早期であれば比較的シンプルな治療で改善できることも多い疾患です。
しかし、慢性化すると改善まで時間がかかる場合があります。
▶ 朝、指が動かしにくい
▶ 指が引っかかる
▶ 指を伸ばすと痛い
▶ 湿布で改善しない
▶ 指が曲がったまま戻らない
このような症状がある方は、お早めの受診をおすすめします。
エコー検査を用いて「引っかかる原因」を可視化しながら、症状に合わせた治療をご提案いたします。
ながみね田村整形外科
熊本市東区長嶺小学校前
整形外科専門医による診療を行っています。
エコー(超音波)を用いた正確な診断と、リハビリ・エコーガイド下注射・拡散型衝撃波治療などを組み合わせ、原因に基づいた治療を行っています。