肩が上がらない・夜中に痛い…それ五十肩じゃないかもしれません|腱板断裂をエコーで正確診断【肩関節専門医が解説】

その肩の痛み、本当に「五十肩」ですか?

「もう何ヶ月も肩が痛くて、腕が上がらない」

「夜中に肩が痛くて目が覚めてしまう」

「五十肩と言われてリハビリを続けているけれど、なかなか良くならない」

このようなお悩みで来院される患者さんは少なくありません。

肩の痛みは年齢とともに増える症状のひとつですが、その原因はさまざまです。

特に中高年の方で多いのが、

  • 五十肩(肩関節周囲炎・凍結肩)
  • 肩腱板断裂

です。

症状がよく似ているため混同されることがありますが、実際には全く異なる病気です。

長引く肩の痛みを「歳のせい」と我慢している方の中には、実は腱板断裂が隠れているケースも少なくありません。

そして腱板断裂は、レントゲン検査だけでは診断できません。

今回は、五十肩と腱板断裂の違い、エコー(超音波)検査による診断、そして治療について整形外科専門医の立場から解説します。


腱板断裂とは?「肩のすじが切れた状態」です

腱板とは、肩を安定させながら動かす重要なインナーマッスルの集まりです。

具体的には、

  • 棘上筋
  • 棘下筋
  • 肩甲下筋
  • 小円筋

の4つの筋肉から構成されています。

この腱板が加齢や使いすぎ、転倒などをきっかけに傷つき、部分的あるいは完全に切れてしまった状態を「腱板断裂」と呼びます。

患者さんからは、

「肩のすじが切れたと言われた」

という表現で相談を受けることも多い病気です。


五十肩と腱板断裂の違い

五十肩(肩関節周囲炎・凍結肩)

五十肩は、肩関節を包む関節包や靭帯などに炎症や拘縮(固まり)が起こる病気です。

特徴として、

  • 肩全体が固くなる
  • 動かすと痛い
  • 動かせる範囲が狭くなる

といった症状がみられます。

時間はかかるものの、多くの場合は適切な治療によって改善していきます。


腱板断裂

一方で腱板断裂は、腱そのものが損傷している状態です。

そのため、

  • 腕が上がらない
  • 肩に力が入らない
  • 夜中に痛みで目が覚める
  • 高い場所に手が届かない
  • 洗濯物を干すのがつらい

といった症状が特徴です。

腕を上げた状態を保てず、途中で落ちてしまうような筋力低下がみられることもあります。

五十肩と腱板断裂では治療方針が大きく異なるため、まず正確な診断が重要です。


レントゲンでは腱板断裂は見えません

「レントゲンで異常なしと言われました」

という患者さんは非常に多くいらっしゃいます。

しかし、それは必ずしも問題がないという意味ではありません。

レントゲンで見えるのは主に骨です。

腱板や靭帯、筋肉といった軟部組織はほとんど映りません。

そのため、

  • 腱板断裂
  • インピンジメント症候群

などは見逃されてしまうことがあります。


当院ではエコー(超音波)検査を活用しています

ながみね田村整形外科では、肩の診療にエコー(超音波)検査を積極的に活用しています。

エコー検査では、

  • 腱板が切れているか
  • どの腱が傷んでいるか
  • 部分断裂か完全断裂か
  • 炎症の程度
  • 肩を動かした際の異常

などをその場で確認できます。

MRIのように予約を取る必要がなく、診察中にリアルタイムで評価できることが大きなメリットです。

また、実際に肩を動かしながら観察できるため、肩関節の状態をより詳しく把握することができます。

必要に応じてMRI検査が可能な医療機関とも連携し、より詳細な評価を行っています。


なぜ肩の専門診療が重要なのか

肩関節は人体の中でも特に複雑な関節です。

肩の痛みの原因には、

  • 五十肩
  • 腱板断裂
  • 石灰沈着性腱板炎
  • インピンジメント症候群
  • 上腕二頭筋長頭腱炎

など多くの病気があります。

症状が似ているため、診察経験や画像評価によって診断が大きく変わることもあります。

当院院長は基幹病院にて一般整形外科診療に加え、肩関節外科を専門として診療・研究・手術に携わってまいりました。

肩関節疾患に対する専門的な知識と経験を活かし、エコー検査を用いた正確な診断と最適な治療をご提案しています。


腱板断裂の治療|まずは保存療法が基本です

「腱板断裂=手術」

と思われる方も少なくありません。

しかし実際には、多くの患者さんで保存療法による改善が期待できます。


エコーガイド下注射

当院ではエコーを見ながら注射を行います。

炎症のある部位へ正確に薬剤を届けることで、治療効果の向上が期待できます。


専門的な運動器リハビリテーション

理学療法士による運動器リハビリテーションでは、

  • 残存する腱板機能の強化
  • 肩甲骨の動きの改善
  • 姿勢や動作の修正
  • 日常生活指導

などを行います。

腱板が一部断裂していても、周囲の筋肉を適切に機能させることで痛みや動作の改善が期待できます。


手術が必要になるのはどんな場合?

以下のような場合には手術治療を検討します。

  • 保存療法を続けても改善しない
  • 完全断裂で筋力低下が強い
  • 若年者で活動性が高い
  • 外傷が原因

また、腱板断裂は放置すると断裂が拡大し、筋肉が脂肪に置き換わる「脂肪変性」が進行することがあります。

脂肪変性が進行すると、後から手術を行っても修復が難しくなる場合があります。

そのため、「様子をみればよい」と自己判断するのではなく、一度専門的な評価を受けることをおすすめします。

当院で手術が必要と判断した場合には、連携する専門医療機関へ適切にご紹介いたします。


熊本市東区で肩の痛み・腱板断裂の診療をご希望の方へ

ながみね田村整形外科(熊本市東区長嶺小学校前)では、肩関節専門医による診察とエコー検査を行い、五十肩や腱板断裂、肩のインピンジメント症候群などの診断・治療を行っています。

  • 肩が上がらない
  • 腕が上がらない
  • 夜中に肩が痛い
  • 五十肩が治らない
  • 肩のすじが切れていると言われた

このような症状でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。


まとめ

肩の痛みの原因は五十肩だけではありません。

長引く肩の痛みや夜間痛の背景に、腱板断裂が隠れていることがあります。

腱板断裂はレントゲンだけでは診断できないため、エコーやMRIなどを用いた適切な評価が重要です。

正確な診断が、最適な治療への第一歩です。

「なかなか治らない肩の痛みがある」

「本当に五十肩なのか不安」

という方は、ぜひ一度ご相談ください。

当院ではエコーを活用した専門診療により、一人ひとりの症状に合わせた治療をご提案いたします。

肩関節外科を専門として診療・研究に携わってきた経験を活かし、肩の痛みの原因を丁寧に評価いたします。


ながみね田村整形外科
熊本市東区 長嶺小学校前

肩の痛み・五十肩・腱板断裂の診療に力を入れています。
肩関節専門医による診察とエコー検査、運動器リハビリテーションを行っています。