肩が上がらない・夜痛い|四十肩・五十肩の原因と治療法
エコーガイド下注射とリハビリ・ストレッチの相乗効果
四十肩・五十肩を「放置するとどうなる?」
「放置すれば治る」は、もう昔の話です
「四十肩は自然に治る」という話を聞いたことがある方も多いかもしれません。
確かに、時間の経過とともに痛みが落ち着くケースもあります。
しかし放置した結果、肩の組織が癒着し、
膜同士がくっついた状態となって、腕が上がらなくなる
拘縮へ進行してしまうケースも少なくありません。
特に、
- 夜も眠れないほどの痛み(夜間痛)
- 寝返りがつらい
- 服の着脱や髪を結ぶ動作が難しい
といった症状が続いている場合は注意が必要です。
早めに適切な処置を受けることが、回復への近道になります。
エコーガイド下注射で、四十肩・五十肩の痛みの原因にアプローチ
従来の注射は、医師の経験や感覚に頼って行う
いわゆる「盲目的注射」が一般的でした。
一方、エコーガイド下注射では、
リアルタイムの超音波画像で針先の位置を確認しながら処置を行います。
痛みの原因となっている
- 滑液包(かつえきほう)
- 炎症を起こしている組織
- 神経の周囲
を直接確認し、薬液を必要な部位へ正確に届けることが可能です。
血管や神経の位置を把握したうえで行うため、
誤穿刺のリスクが低く、安全性が高い点も特徴です。
さらに、薬液を注入しながら
癒着した筋膜をはがす「ハイドロリリース(筋膜剥離)」
を併用することで、癒着そのものにアプローチし、
肩の可動域改善を目指します。
肩関節を専門的に診てきた経験を、日常診療に活かしています
私は、基幹病院にて一般整形外科に加え、
肩関節外科領域を中心に診療・手術・研究に携わってまいりました。
2018年および2023年には、日本肩関節学会における研究発表が、
学会賞である「高岸直人賞」へのノミネートを受けています。
肩関節は構造が非常に複雑で、四十肩・五十肩においても、
痛みや可動域制限の原因は一つとは限りません。
そのため、「どこに炎症があるのか」「なぜ動かしにくくなっているのか」を
正確に見極めることが、治療の結果を大きく左右します。
これまでの肩関節診療の経験を活かし、
エコーによる評価をもとに、注射・リハビリ・セルフケアを組み合わせた治療を行っています。
注射は「ゴール」ではなく「スタート」
注射によって痛みが和らいだあとこそ、治療の重要なタイミングです。
痛みが落ち着いている間に肩を動かし、
再び癒着が起こるのを防ぐことが大切です。
「痛くなくなったから大丈夫」と動かさずにいると、
せっかく改善した状態が元に戻ってしまうこともあります。
注射の効果を十分に活かすためには、
リハビリやストレッチの継続が欠かせません。
外来リハビリテーションで、四十肩・五十肩の回復をさらに加速
自宅でのストレッチと並行して、
当院では理学療法士による外来リハビリテーションを行っています。
自己流のストレッチでは、
「どこまで動かしていいのか分からない」
「力を入れすぎて痛みが強くなった」
といったケースも少なくありません。
外来リハビリでは、理学療法士が毎回状態を評価し、
その時点の症状に合わせて
- 手技療法
- ストレッチ指導
を行います。
また、
- 温熱療法(ホットパック)
- 電気療法(低周波治療など)
- 拡散型体外衝撃波治療
といった物理療法を組み合わせることで、
筋肉の緊張を和らげながら可動域の回復を促します。
「注射で痛みを取る
→ リハビリで動きを取り戻す
→ 自宅ストレッチで定着させる」
この流れが、四十肩・五十肩の改善を目指すうえで
効率的な治療の考え方です。
自宅でできる!四十肩・五十肩におすすめの簡単ストレッチ
① 振り子運動(コッドマン体操)
椅子や机に片手をつき、上体を前に倒します。
痛い側の腕をだらりと下げ、体を小さく揺らすように
前後・左右・円を描くように動かします。
- 1回30秒〜1分
- 1日数回
- 痛みの出ない範囲で
行いましょう。
② タオルストレッチ
タオルを背中側に縦に持ち、
健側(痛くない方)の手で上、患側(痛い方)の手で下を持ちます。
健側の手でゆっくりタオルを引き上げ、
無理のない範囲で肩を伸ばします。
痛みが出ないことを確認しながら行いましょう。
まとめ:四位一体の治療で、四十肩・五十肩の痛みに終止符を
四十肩・五十肩の改善には、
正確な診断(エコー)
+ 的確な処置(エコーガイド下注射)
+ 専門的なリハビリ(外来リハビリテーション)
+ 継続的なセルフケア(ストレッチ)
この四位一体のアプローチが重要です。
「もう少し様子を見よう」と思っているうちに、
肩が動かなくなってしまう前に。
夜間痛や肩の動かしにくさを感じたら、
早めの受診をご検討ください。
ながみね田村整形外科
熊本市東区 長嶺小学校前
四十肩・五十肩に対するエコーを用いた診断、エコーガイド下注射、外来リハビリテーションを行っています。